DOS 起動ディスクの作成

はじめに

最近ではCD-ROMからのブートセットアップが一般的で、DOSなどというものは必要なくなってしまいました。しかし少し古いOSや、モバイルパソコンなどCD-ROMドライブが内臓されていないパソコンなどでインストールする場合などでは、DOSがあるととても重宝することが多いです。

DOSはMicrosoftの商品ですがWindows 95/98などに付属していてフロッピーにコピーして使うことが許されてます(他人にあげちゃマズい)。Windows 95/98ではDOSの作成自体は簡単ですが、そのままではフロッピーが二枚になってしまったり、日本語は使えないやらCD-ROMは使えないやらで役に立たないDOSができあがります。

今回は役に立つDOSを作る方法を紹介します。また、本来使えないと思われているWindows2000/ME/XPでの作成方法も紹介します。

Windows 95/98/98SEでの作成

  1. マイコンピュータのFDを右クリックしてフォーマットを選びます。
  2. フォーマットの設定のところで起動専用にチェックを入れ、フォーマット済みのFDをドライブに入れてFDを作成します。

これで英語版のDOSが完成です。

日本語版のDOSにする為には下のDOSリストにあるファイルが必要なのでWindows がインストールされているドライブからファイルを検索して下の表にあるファイルを揃えFDにコピーします。

AUTOEXEC.BATを右クリックして編集を選び中身を全て消して上書き保存します。

Config.sysもメモ帳で開き中身を下の表の中と同じにしてください。

DOSでは初期状態でCDを認識してくれません。従ってCD-ROMを利用する場合はドライバを入れてCD-ROMを使えるように設定をする必要があります。IDE接続のCD-ROMならば汎用CD-ROMドライブドライバを利用してCD-ROMドライブを利用できるようにすることが可能です。

必要なファイル
・OAKCDROM.SYS
・MSCDEX.EXE

Config.sysの中身に以下の行を追加します。
DEVICE=oakcdrom.sys /D:MSCD000
LASTDRIVE=Z

Autoexec.batの中身に以下の行を追加します。
@ECHO OFF
PATH=A:\
A:\MSCDEX.EXE /D:MSCD000 /M:15 /V /L:D

※/D:MSCD000は上のconfig.sysに連動していて揃えれば別のものでもいいようです。

※/L:DのDがドライブ文字です。任意に変えてもOKです。

Windows ME(Windows 98/98SE)での作成

  1. 『コントロールパネル』の『アプリケーションの追加と削除』を実行します。
  2. 『起動ディスク』のタブでディスクの作成を実行。
  3. 指示にしたがってフォーマット済みのFDをドライブに入れてFDを作成します。
  4. あとはDOSリストに従って不要なファイルを削除して一枚にまとめます。

ただし、DOSでは初期状態でCDを認識してくれません。IDE接続のCD-ROMならば汎用CD-ROMドライブドライバを利用してCD-ROMドライブを利用できるようにすることが可能で、そのためには以下のことをする必要があります。

次のファイルを消さずに残しておきます。
・OAKCDROM.SYS
・MSCDEX.EXE

Config.sysの中身に以下の行を追加します。
DEVICE=oakcdrom.sys /D:MSCD000
LASTDRIVE=Z

Autoexec.batの中身に以下の行を追加します。
@ECHO OFF
PATH=A:\
A:\MSCDEX.EXE /D:MSCD000 /M:15 /V /L:D

※/D:MSCD000は上のconfig.sysに連動していて揃えれば別のものでもいいようです。

※/L:DのDがドライブ文字です。任意に変えてもOKです。

実はWindows 98/98SEでも同様に作ることも可能です。上の方法はファイルを増やす方法でしたが、このファイルを減らす方法というのも覚えておいて損はないかもしれません。

Windows 2000での作成

  1. Windows 2000のCDをCD-ROMドライブに入れます。
  2. 『VALUEADD\3RDPARTY\CA_ANTIV』にある『MAKEDISK.bat』を実行します。
  3. 指示にしたがってフォーマット済みのFDをドライブに入れてFDを作成します。
  4. 出来上がったFDからDOSリストを参照して不要なファイルを削除します。
  5. AUTOEXEC.BATを右クリックして編集を選び中身を全て消して上書き保存します。
  6. Config.sysもメモ帳で開き中身を下の表の中と同じにしてください。

これで日本語が扱えるDOSが完成しました。なお、残念ながらWindows 2000には汎用CD-ROMドライブドライバは存在しないので別途CD-ROMドライブメーカーなどからドライバを入手する必要があります。

Windows XPでの作成

  1. マイコンピュータのFDを右クリックしてフォーマットを選びます。
  2. フォーマットの設定のところで『MS-DOS起動ディスクを作成』にチェックを入れ、フォーマット済みのFDをドライブに入れてFDを作成します。

これで英語版のDOSが完成です。

残念ながらWindows XPには日本語表示するためのドライバは存在しないので英語版を使う必要があります。(英語版の場合一部の記号がキーボードの表記と実際に入力された記号がことなることがあるので注意してください。)
また、汎用CD-ROMドライブドライバは存在しないので別途CD-ROMドライブメーカーなどからドライバを入手する必要があります。

DOSリスト

以下のファイルが必要です。

  • ANK16.FNT
  • ANK19.FNT
  • AUTOEXEC.BAT(メモ帳あたりでテキストファイルを作って拡張子を変えればよい)
  • BILING.SYS
  • COMMAND.COM
  • CONFIG.SYS(メモ帳あたりでテキストファイルを作って拡張子を変えればよい)
  • DRVSPACE.BIN(ドライブスペースが使用されていないなら不要)
  • FDISK.EXE
  • FORMAT.COM
  • HIMEM.SYS
  • IO.SYS
  • JDISP.SYS
  • JFONT.SYS
  • JKEYB.SYS
  • JKEYBRD.SYS
  • KANJI16.FNT
  • MSDOS.SYS
  • SMARTDRV.EXE(HDDを高速化するもので無くても動くがコピーなどで時間がかかる。)

※DRVSPACE.BINはWindows 95(無印)/95AではPlus!をインストールしない限り出てこないかもしれません。上の理由で不要です。

CONFIG.SYSの中身

DEVICE=HIMEM.SYS
BUFFERS=20
FILES=60
DEVICE=BILING.SYS
DEVICE=JFONT.SYS /MSG=OFF
DEVICE=JDISP.SYS /HS=LC
DEVICE=JKEYB.SYS /106 JKEYBRD.SYS

DOSでCDを利用する

上のWindows95/98/98SE/MEの場合ではCD-ROMドライブの汎用ドライバによってIDE接続のドライブはだいたい認識できるようにしました。ところが、SRXを含むCD-ROMを内臓しないパソコンやSCSI接続のパソコンでは利用できません。

よってSCSIならばSCSIカードのドライバを、PC カードならばPC カードのドライバをメーカーからダウンロードしてくる必要があります。ドライバのインストール方法は各ドライバーの説明書を見てください。大体は使うドライバファイルが違うだけでConfig.sysの書き方などは汎用ドライバの時とあまり変わらないので参考にしてください。

USB接続のタイプやIEEE接続のタイプではUSBやIEEE自体がDOSに対応していないのでBIOSがエミュレートするタイプ以外は利用できません。BIOSがエミュレートするタイプでは一般にIDEのCD-ROMとしてエミュレートするので汎用ドライバで利用可能だと思われます。しかし、DOSを使う分には問題ありませんがインストールなどを行う場合途中でDOSではなくなりドライバが要求されたりするので予めDOSでインストールCDの中身をHDDにコピーしてそこから実行するのがいいでしょう。

PC Card接続のCDについて

PC Cardの接続CDには二種類あって、

があります。

ソケットサービスやカードサービスは簡単に考えればPC Cardスロットのドライバみたいなもんです。よって私たちの場合はSRXに搭載されているPCCard スロットのドライバが必要なワケです。もちろんPC CardにはPC Cardのドライバは用意してあってもPC Cardスロットのドライバは付属していません、自分で用意する必要があります。しかし、SonyのWebやCDをいくら探してもSRX用のPCCard スロットのDOS用ドライバなんて用意してくれてません。
というワケでSRXでPCカード接続のCDを使うならばPC Cardのドライバだけで利用かのうになる『直接PC Cardを扱うタイプ』を使うことになりそうです。

…でもどうしてもソケットサービスやカードサービスを介してPCカードを扱うタイプを使いたいんだけど。。。

まず、SRX3Eに搭載PC CardスロットはTexas Instruments PCI-1410でした(Ricohのは内臓の無線LAN用に使われている)。そこでTexasInstrumentsのサイトに飛んでも汎用ドライバはありませんでした。そこでTexas Instruments PCI-1410とDOSをキーワードに検索をかけてみると、サポートがとっても良いと評判のIBMのs30にも上のPCCard スロットが搭載されていることがわかりました。しかもIBMではThinkPad s30のPC CardスロットのDOS用ドライバをWebで公開していました。

ここで断っておきます。このドライバはIBMのs30用であって、このIBMのs30を持っていない方が使うのはライセンス違反です。例え、うっかり間違えてSRXにこのドライバを使ってしまったらウマくいったとしてもそれはライセンス違反なのです…。