α7 S with Industar 61L/Z MC 50mm F2.8 - ぐうたらずのーと (写真編)

はじめに

Industar 61L/Z MC 50mm F2.8は旧ソビエト連邦(ロシア製)のレンズで、ロシアで2000ルーブル(4000円)くらいで買いました。絞りが星形になるため、光源のボケが星形になるというユニークな特長で知る人ぞ知るレンズです。

Industar 61L/Z MC 50mm F2.8

Industar 61L/Z MC 50mm F2.8は、旧ソ連製のM42マウント向けレンズで、1980年代から製造を開始した比較的モダンなレンズです。レンズ構成はTessar型で、オリジナルのTessarは当時のキャッチコピーから『鷹の目』と称されるシャープさと、コンパクトで手軽にキレイな写真が撮れるのが特長で、スナップ写真などに向いているレンズ構成です。

もともと、レンジファインダー式カメラFEDの交換レンズとして登場したIndustar 61やIndustar 64L/DをM42マウント向けにしたものです。ちなみに、名前はソックリですがFED用の方は一般的な絞りなので本レンズのアイデンティティ？である星形のボケは出ません。星になるのはM42マウントのIndustar 61 L/Zの方です。

このレンズはAsahi SuperTakumar 55mm F1.8などと同じくM42で、Fotga社製の約1000円の格安マウントアダプタを流用しています。以前、もうちょっと高価？なKernel製のマウントアダプタ(3000円)を使っていたところ、旅行中にスクリュー部を留めているネジが緩んで撮影不能になったことがあるので上記のアダプタを借用しています。

写りの印象

面白い特長をもったレンズですから写りの方も面白さを期待していたものの、なんとも普通で肩すかしを食らってしまいました。いや、すごくバランスが良いのです。そこそこ明るく、シャープでコントラストも充分高く、しかもかなり寄れる。安くて使いやすい優れたレンズですが、オールドレンズとしてはちょっと面白みに欠けるというのが印象でしょうか。

普通に撮っていると気がつかないのですが、同じ場所で絞りを変えて撮っていくと5.6と8の間で色味が変わるように見えます。ホワイトバランスもオートなので単にα7 Sとの相性かもしれませんが、F2.8-5.6まではイエローかぶり、F8-F16はマゼンタかぶりのようです。下の写真は境目のF5.6とF8の比較ですが、F2.8とF16の方が差は顕著です。