VAIO SRX HDDの交換

はじめに

デスクトップパソコンに比べてモバイルパソコンが遅いのは何が問題なのでしょうか?SRX3EはCPUがCeleron 650MHzでメモリPC100の256MBというスペックですから一昔前のデスクトップパソコンと同等の性能を誇っています。それでも一昔前のデスクトップパソコンと比べても何故かそれよりも遅いような気がします…。

モバイル用のCPUやメモリは形状にこそ違いはあれど性能はデスクトップとほとんど同等ですが、HDDだけはサイズや耐衝撃性を高めるなどの理由でデスクトップよりも格段に性能が劣っています。しかも速度がウリのCPUに比べてメモリやHDDは容量が注目されがちで、メーカーは容量を重視して高価な高速HDDを進んで搭載したがらないのも原因でしょう。

そこで、今回はHDDをより高速なものに交換することにしました。SRXシリーズは一般的な2.5インチのHDDを採用していて、しかもメモリの交換よりも楽なくらい交換が容易です。ただ、メモリと違ってHDDを交換すると無料保障がなくなるので無料保障期間が切れてから実行するのがいいと思います。

なお、今回は速度向上を目的にして交換を行ったので容量に差はありませんが、用途に応じて回転数はそのままで大容量のHDDに交換するなどの応用が考えられます。

HDDの交換はメーカーの保証外の行為で、1年以内でも無料保障がなくなります。また、HDDによっては相性などの問題でSRXシリーズで動かない可能性もあります。

HDDの交換にチャレンジ

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これが今回交換する新しいHDD、IBM(現在のHITACHI)のTravelstar 40GNX IC25N020ATCS05。HDDは大きさやネジの位置などの規格が定められているので、規格が同じものであればメーカーが異なっていても問題なく利用できるハズです。(相性問題や容量の壁があるので事前に情報収集は必須)

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SRX3EのHDDはウラの蓋の下に内臓されています。SRXに限らずSONYはを有償でVAIOのHDDの交換を行うサービスをしているので、その為かえらくHDDの交換が容易な設計となっていました。よかったよかった。

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蓋を開けるとHDDが顔を出します。HDDを支えている金属製のフレームごとはずしてからHDDをフレームから外す構造になっています。この写真の右側に見えるオレンジ色のテープのようなケーブルがIDEケーブルで、HDD側ではなくて本体側を本体から上向きに引っ張ると簡単に外れます。

ただし、手前の右側のネジの上にショック吸収剤がくっつけてあるのでそれをはがさなければ外せません。あんまり何回も交換すると粘着質がダメになりそうです…。

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取り外したHDD。ウーン美しい…(機械フェチ談)。このHDDは9.5mm厚の2.5inchのHDD、TOSHIBAのMK2018GASです。ノート用は衝撃に強めといえど、あまり衝撃を与えないように注意して取り扱いましょう。

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あとは外すときと同じように元に戻すだけ。あまりきつくネジを閉めないように、かつあまりゆるく締めすぎないように…。

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ネジを締めて起動するとBIOS画面のHDDの欄に正しい型番が表示されます。HDDがきちんと正しく認識されたことが分かります。なお、(PM)=プライマリ・マスターという意味で接続場所を示しています。

これで終わり?はい終わりです。ね、早かったでしょう?すばやくやれば30分くらいだと思います。予算も1万円程度と(パソコンパーツとしては)それほど高くないですし、やってみる価値はあるかもしれません。

HDDのスペック比較

HDD 元のHDD 新しいHDD
メーカー TOSHIBA IBM(現在HITACHI)
型番 MK2018GAS IC25N020ATCS05
容量 20GB 20GB
回転数 4200rpm 5400rpm
バッファ 2MB 8MB
1プラッタあたりのサイズ 20GB 20GB
最大転送率 290.4Mbps 297Mbps
平均待ち時間 7.14ms 5.5ms
平均シーク時間 12ms 12ms
耐衝撃性(非動作時) 800G 800G
耐衝撃性(動作時) 200G 200G
エネルギー消費効率 35W/GB 43W/GB
重さ 94g 109g

ふと文字の部分がウリなワケですが、消費電力や重さが大きくなっているのでまぁモバイル性と性能とのトレードオフといったところでしょうか?

感想

上の表を見ても分かるようにモバイル性にこだわって性能を犠牲にして買ったパソコンに、性能を求めてしまったわけです。性能は交換したんだから速くなっているハズという先入観もあってかとても快適になったと思います。特に転送速度という面よりも回転数が上がったことによる細かなファイルへのアクセスやOSの起動などが格段に速くなったと感じます。また回転数が上がったのにもかかわらず動作音が静かになったのは特筆するべきところだと思います。

音の静かさと速さで快適さがグッと上がったわけですが、重さはともかく消費電力がどの程度影響するかが注目すべきところでしょう。