Windows Vista

はじめに

Windows Vistaは2006年にWindows XPの後継として発売されたMicrosoftのオプレーティングシステムです。

開発コードネームはLonghornで、6年ぶりの新しいWindowsとなりました。3Dグラフィックを使った新しいGUIや高いセキュリティ機能、64bit対応など多くの機能強化が行われました。

Windows Vistaは3Dグラフィックを使った新しいGUIや高いセキュリティ機能などの新機軸を搭載して登場しましたが、要求スペックが高かったことや互換性に問題があったことから市場に受け入れず、それらの問題点を改良した後継のWindows7が登場したことでその役割を終えた不運なOSと言えるかもしれません。

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主な仕様 (Windows Vista)

ソフトウェア機能表

ソフト名 Windows Vista
バージョン 6.0
32bit化 32bit/64bit
.Net Framework .Net Framework 10 - 10.1
DirectX DirectX 10 - 10.1
Internet Explorer Internet Explorer 7 - 9
Windows Media Player Windows Media Player 11
その他 セキュリティと省電力機能

特徴

Windows Vista には、3Dグラフィック機能を活用したAero Glassと呼ばれる新しいGUIを採用しました。近代的なデザインと見やすいサムネイル表示などが特徴で、3D効果を使ったウィンドウ切り替え機能のフリップ3Dは有名です。また、ガジェットが利用できるサイドバーが搭載されているのも特徴です。

Windows Vistaの開発中にWindowsやWindowsに搭載されているブラウザを狙った攻撃が社会的な問題となったため、大幅なセキュリティ機能の強化などが図られました。しかし、これらの強化は従来のアプリケーションとの互換性を低くし、また悪意のあるプログラムの実行を阻止するUACはユーザーに不便を強いたため、WindowsVistaが敬遠される要因にもなってしまいました。

Windows Vistaではスリープをメインに使うように設定して見かけ上の起動時間を短縮させた他、ユーザーの使い方を学習してよく使うデータをあらかじめメモリに読み込んでおくSuperFetch、フラッシュメモリをキャッシュとして利用するWindowsReadyBoostなど、快適に使うためのさまざまな高速化技術が搭載されています。

また、バックアップ機能も強化され、OSを完全にリカバリする『コンプリートPCバックアップ』やファイルごとに任意の時点でファイルのコピーを残すシャドーコピーなどが搭載されています。

Windows Vistaでは当初からほぼ全てのエディションで64bit版が提供されました。これはコンシューマ向けWindowsでは初めてのことです。ただし、パッケージで見るとUltimate版のみ32bitと64bitが同梱されていましたが、それ以外は一旦32bit版を購入してから申し込みをして64bit版のメディアを送ってもらうという少々手間のかかるスタイルをとっていました。MicrosoftとしてはWindowsVistaでは64bitが本格的に普及することはないと考えていたのかもしれません。

Windows Vistaはメジャーアップデートとしてさまざまな機能強化が行われていましたが、GUIの変更により操作性が変化したこと、機能の高度化により要求スペックが大きく上がってしまったこと、セキュリティ関連の強化により動作しないソフトウェアやハードウェアが少なくないことなどの要因で、ユーザーの支持を得ることができませんでした。次のバージョンのWindows7ではこれらの点が改善され、市場に受け入れられていくことになります。

ラインナップ

製品名 用途 備考
Windows Vista Starter 新興市場向け 日本未発売
Windows Vista Home Basic 低価格向け Aeroなど制限が多い
Windows Vista Home Premium 家庭向け 企業向け機能等が制限
Windows Vista Professional 企業向け マルチメディア機能等が制限
Windows Vista Ultimate/Enterprise 最高峰 全部入り