Windows 2000

はじめに

Windows 2000は2000年にWindows NT 4.0の後継として発売されたオプレーティングシステムです。

開発コードネームはCairo(エジプトの首都ではなく、アメリカの町の名前)で、フル32bitのNT系をベースにWindows 95系がサポートするほとんどの機能をサポートしました。ACPIやPlug&Playの対応やUSBとIEEEなどの機器などのハードウェアに対応し、ソフトウェア的にもDirectXに対応しWindows95系でサポートされてWindows NTでサポートされなかった機能でほとんどサポートされました。

Windows 2000の後継のWindows XPはコンシューマ向けのWindows 95とビジネス向けのWindows NT系が融合した初のOSとなりました。このOSは非常に完成度が高いOSだったのですが最初はそれほど人気がなく、徐々に人気が出た珍しいOSでした。

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主な仕様 (Windows 2000)

ソフトウェア機能表

ソフト名 Windows 2000
バージョン 5.0
32bit化 32bit
DOSにネイティブ対応 ×
デュアルプロセッサ
USB
IEEE
DirectX DirectX 9まで
Internet Explorer Internet Explorer 6まで
Windows Media Player Windows Media Player 9まで
その他 セキュリティと省電力機能

特徴

Windows NTの弱点の一つに周辺機器のサポートの少なさがありました。Windows 2000ではPlug&Playに対応しWDM=WindowsDrivers Modelというドライバー形式に対応しました。Windowsのドライバーはバージョンごとに異なるドライバーが必要だったりしてメーカーもユーザーも不便でした。そこでWindowsで共通して使えるドライバー形式としてWDMが提唱され、Windows98から採用されました。ただし、あくまで理論的な話で実際にはそうでもありませんでした。
ほかにもUSBとIEEEに対応し、PC Cardの稼動中のつけはずしにも対応しました。AGPにも正式に対応してマルチメディア系機能もほとんどが使えるようになりました。

Windows NTとDirectXは水と油と呼ばれるくらいの相性の悪さを克服し見事に対応させました。また、マルチメディア系の制約をほとんどなくしマルチメディアやゲームにも強いOSとなりました。ただし、動作速度的にはWindows9x系には及ばなかったようです。

Cairo自体はそもそもWindows 95系とWindows NT系が融合したコンシューマ向けのOSとして開発されましたが、発売当初の周辺機器のサポートが少ないなどの理由でWindowsNT系の後継とされ、移行の緩やかなビジネス分野で発売当初はあまり売り上げが伸びませんでした。しかし、マイクロソフト自身がもっとも予算と時間をかけて完成させたOSといっただけある完成度の高さでパワーユーザーを中心に徐々に人気がでました。このOSをベースに改良を加えたWindows XPはコンシューマ向けにもダイブレークしましたが、ビジネス向けにはシンプルで設定が柔軟なWindows 2000からの移行はあまりないといわれるくらいの根強い人気がありました。

Windows 2000は、Windows NTの後継なのでWindows NTのアドバンテージである高いセキュリティとエラー耐性とネットワーク機能なども拡張しさらに柔軟に安定して行えるようになりました。とくにメモリ管理の方式がWindows3.1との互換性確保のために安定性を犠牲にしたWindows 95系とは異なり完全に独立させた空間で実行するので理論的には一つのアプリケーションがフリーズしても他のアプリケーションは問題なく実行できます。また、ファイルシステムもNTFSを拡張したNTFSv5が採用されパーティション管理がさらに発展的に行えるようになりました。

ラインナップ

ソフト名 Windows 2000 Professional Windows 2000
Server
Windows 2000
Advanced Server
Windows 2000
Datacenter Server
用途 クライアント
ワークステーション
SOHO サーバー
部門サーバー
基幹サーバー 大規模なサーバー
位置づけ Windows NT
Workstation 4.0の後継
Windows NT
Server 4.0の後継
Windows NT
Enterprise Editionの後継
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