Modem

はじめに

このページではブロードバンド時代到来までインターネットの主要手段だったダイヤルアップ接続に必要なダイヤルアップモデムについてお話します。

モデムはPC/AT登場以前から存在していたネットワークインターフェースで、電話用に作られた電話線を利用してパソコンのデータを通信するダイヤルアップ接続通信を行うための機械です。登場初期は300bps程度でしたが徐々にその転送速度を上げて、現在では下り56.6Kbpsまでの転送速度を誇ります。しかし、ブロードバンドと呼ばれるADSLやCATVの登場で通信速度や料金などが劣るダイヤルアップ通信は急速にその数を減らしつつあるのが現実です。

Modemの役割役割

インターネットを行う際にプロバイダまでの通信手段として専用回線を利用すると予算的にかなりかさんでしまいます。そこですでにどこの家庭にも来ている電話回線を代用して通信を行う方法が考案されました。(ちなみに、この原理からするとどの家庭にも来ている電線を使った通信というのも考えられる。実際にデータ通信用の電話線の方が簡単なのは予想は付くが電線を使った通信方法も研究されている)。

電話線を使った通信方法として考えられたのがダイヤルアップ接続でパソコンのデータを電話と同じようにアナログ信号に変換して送り相手側でこのアナログ信号をデジタルに変換する方法です。この方法で通信を行う場合にパソコンのデジタルデータを電話回線に流すアナログ信号に変換またはその逆を行う作業が必要になります。これを行うのがモデムというワケです。

仕組み

モデムにはシリアル接続の外付けやPCI接続の内臓のほかUSB接続などもあります。

モデムはまずプロバイダに電話をかけてプロバイダ側の機械と通信を行う体制を整えます。次にパソコンで送信したいデジタルデータを電話回線で送れるアナログ信号に変換してプロバイダ側に発信または、プロバイダ側から送られてきたアナログ信号をパソコンで扱えるデジタルデータに変換してパソコンへ送ります。

モデムは変調と呼ばれる基本となる信号波に別の信号波を重ねて波長や位相など信号波の性質を変える方法で通信を行っていて、この変調を行うことをmodulationと呼び変調された信号波からもとの波長を割り出す作業をde-modulationと呼びmodemの名前の由来はここから来ています(ちなみに変調はFM音源の音声の合成にも使われた方法)。

デジタルデータをアナログ信号に変換して通信するという定義上ADSLのアダプタもモデムということになりますがダイヤルアップモデムとの区別のために一般にADSLモデムと呼ばれ、単にモデムといったら通常はダイヤルアップモデムを指します。