はじめに
パラレルポートについてお話いたします。
Parallel Port
Parallel Portはプリンタポートとも呼ばれ、パラレル形式の通信ポートはSCSIなどがありますが、単にパラレルポートと言ったらIEEE1284を指します。IEEE1284はもともとプリンタメーカーのCentronicsData Computerが自社のプリンタとの接続用に考案したパラレルポートをセントロニクス仕様として各社がこの方式を採用したことから業界標準となり、後に各社が独自に拡張を始めた為にIEEEによって規格化されるに至りました。
セントロニクス仕様では、36pin Full pitch アンフェノールコネクタとなっていますが、このうち使われないピンを除いて作ったDsub25pinのメスコネクタがPC/AT互換機には搭載されています。ParallelPortは8bitを同時に転送することができる点でSerial Portよりも高速でしたが、Parallel方式な分ノイズには弱いようです。
IEEEがParallel Portを規格化する際に、各社が独自に拡張した規格も取り入れて規格化しました。このため、Parallel Portは複数のモードが存在します。
モード | 仕様 | 最大転送速度 |
---|---|---|
SPP mode | Compatibility Mode、Nibble Mode、Byte Modeを併用して双方向通信を行う方式です。 Compatibility Modeは、純粋なセントロニクス仕様の転送方式でデータラインを使ってパソコンから周辺機器へ一回に8bitのデータを転送します。 Nibble Modeは、ステータスラインを使って周辺機器からパソコンへ一回に4bitのデータを転送します。なおニブルとは1/2byte=4bitを意味します。 Byte Modeは、PS/2に採用された方式でデータラインを使って周辺機器からパソコンへ一回に8bitのデータを転送します。 |
150KB/s |
EPP mode | SPPがモードの切り替えによって双方向通信を実現しているのに対して、EPPは方式そのものが双方向通信をサポートしています。 | 2MB/s |
ECP mode | EPPをさらに高速にするために作られた規格で、バッファの採用やデータ圧縮などを利用して高速化を実現しています。 | 8MB/s |