はじめに
ViRGEは1996年にS3社がTrio 64(正確にはTrioの改良版であるTrio 64V2)の後継として発売された3D演算機能つけグラフィックチップです。
ViRGEの3D演算能力はそれほど高くないのですが、コンシューマ向けグラフィックチップで初めて3D演算をハードウェアで行う機能をつけたので非常に有名です。
主な仕様
- コンシューマ向けで初めて3Dのハードウェア処理に対応。
スペック
チップ名 | ViRGE |
---|---|
グラフィックチップ | 86C325 |
コアクロック | 50MHz |
RAMDACクロック | 135MHz |
対応メモリ種類 | EDO-DRAM |
対応メモリ速度(最大) | ? |
メモリの最大搭載量 | 4MB |
対応スロット | PCI |
Direct3D | ○ |
ハードウェア T&L | × |
ピクセルシェーダ | × |
バーテクスシェーダ | × |
3D演算能力 | 150KTriangle/s |
3D演算能力 | ?Texel/s |
プロセスルール | 0.5μ |
Mpeg再生支援 | × |
その他 | - |
主な特徴
このグラフィックチップの最大の特徴はコンシューマ向けのグラフィックチップで初めて3D演算能力を搭載した点です。当時2D機能に関してはほぼ成熟期にあるといわれていて時代は3Dに入るといわれていたのですが、3D演算能力の敷居は高くかくメーカーが手をこまねいているときに発売した点でグラフィックの歴史的にも意味のあるチップでした。
3D演算能力はそれほど高くないのですがTrio譲りの高い2D能力を誇り、また何といっても最初の3Dグラフィックチップとして人気がありました。
シリーズ
ViRGEは後継や強化版など幅広いラインナップを誇ります。
チップ名 | ViRGE | ViRGE/VX | ViRGE/DX | ViRGE/GX | ViRGE/GX |
---|---|---|---|---|---|
3Dグラフィックの世代 | 第一世代 | 第一世代 | 第二世代 | 第二世代 | 第三世代 |
対応メモリ(最速) | EDO-DRAM | EDO-VRAM | DRAM | SGRAM/SDRAM | SGRAM/SDRAM |
RAMDACクロック | 135MHz | 220MHz | 170MHz | 170MHz | 170MHz |
メモリ最大搭載量 | 4MB | 8MB | 4MB | 4MB | 4MB |
AGP対応 | × | × | × | × | 1X |
テレビ出力対応 | × | × | × | × | ○ |
パッケージ | QFP Trio64V+互換 |
BGA | QFP Trio64V+互換 |
QFP Trio64V+互換 |
QFP Trio64V+互換 |
※このほかモバイル用のVIRGE MXやViRGE MX+などがある。こちらはViRGE/GXをベースに省電力機構と液晶出力他デュアルディスプレイ機能を搭載したもの。
その後
結局のところ、他社の急速な3D演算能力の進化に遅れをとってしまいViRGEシリーズはViRGE/GX3として開発していた新グラフィックチップを新しいブランドSavageへと変更してそのブランドに終止符を打つことになるのです。