ATI RADEON 8500

はじめに

RADEON 8500 は2001年にRADEON(初代)の後継として発売された第二世代のRADEONにあたるグラフィックチップです。

ATIのグラフィックチップとしてDirectX8以降に初めて対応して、DirectX8.1に初めて対応するグラフィックチップです。ATI は長らくやめていたグラフィックチップの外販をこの世代で再開して数々のサードパーティからこのチップを搭載したグラフィックカードが発売されました。

主な仕様

スペック

チップ名 RADEON 備考
グラフィックチップ RADEON 8500 コアクロックが複数種類あった。
コアクロック 275MHz リテール版の275MHzとバルク版やLE版の250MHzが存在した。
対応メモリ種類 DDR SDRAM/SGRAM
SDRAM/SGRAM
対応メモリ速度(最大) 275MHz のDDR
メモリの最大搭載量 128MB 製品として実際に出回ったのは64MB版まで。
対応スロット AGP 4X/PCI
DirectXの世代 DirectX 8.1 完全対応
OpenGLの世代 OpenGL 完全対応
ハードウェア T&L Clippingにも対応するのでTCLとなる
ピクセルシェーダ Ver.1.4
バーテクスシェーダ
ジオメトリエンジン 62.5MTriangle/s
レンダリングエンジン 2.0GPixel/s
プロセスルール 0.15μ
Mpeg再生支援
その他 -

特徴

このグラフィックチップは、先発の nVIDIA の Geforce 3に対抗する形で投入されたDirectX8世代の2D/3Dチップで、それに相応しい強化が行われたグラフィックチップです。

ATI はRADEONでGeforce 256に対抗しましたが、その間にnVIDIAはGeforce 2をリリースしてRADEONも善戦をしましたがGeforce 2の性能の前に一歩及ばずという感は否めませんでした。nVIDIAは続いてDirectX8をハードウェアで対応したGeforce3をリリース、対抗してATIがDirectX8.1にハードウェアで対応してリリースしたのがRADEON 8500です。

RADEON 8500の最大の特徴はDirectX 8.1にハードウェアレベルで完全に対応した初のグラフィックチップである点です。DirectX8.1はDirectX8.0のプログラマブルシェーダのうちピクセルシェーダを拡張したもので、ATIのグラフィックチップで初めてシェーダを搭載するチップで、さらにDirectX8.1に初めてハードウェアで対応するグラフィックチップです。ATIではこのバーテックスシェーダとピクセルシェーダのエンジンをSMARTSHADERと命名しています。

シェーダについて詳しくは『Column 06』を参照してください。

このほか、RADEONと比べてコアクロックやメモリクロックが向上していて性能が高くなっています。

ATIは長らく、ごく一部を除いてグラフィックボード用としてグラフィックチップを外販していませんでした。つまり、ATIのグラフィックチップが搭載されたグラフィックボードはATI純正のボードを使ったものしかなかったのです。ATIはnVIDIAとの熾烈な競争に勝つために再び外販を開始し、より安価でユニークなサードパーティ製グラフィックカードが大量に市場に出回ることになったのです。

ラインナップ

チップ名 市場 主な特徴
RADEON 8500 ハイエンド DirectX 8.1に対応
RADEON 8500 LE ハイエンド 8500のクロックを下げたもの
RADEON 7500 ハイエンド RADEON(初代)のプロセスルールを0.15μにシュリンクして高クロック化したもの
RADEON 7200 ミドルエンド RADEON(初代)(名前を統一するために変えたようだ)
RADEON 7000 ミドルエンド RADEON VE(名前を統一するために変えたようだ)

※大まかな変更点で細かい変更点はほかにもあるかもしれません。