Matrox Millennium G200

はじめに

Millenniumシリーズの最大の弱点である3D機能を強化すべく1998年に投入されたのがMillennium G200です。MillenniumG200はMillennium IIをベースに3D機能を強化した製品でMatroxの自信作だったようですが、肝心の3Dの性能ではあまり良い評判ではなかったようです。

グラフィックチップにはMGA-G200を使っています。

主な仕様

スペック

チップ名 MGA-G200 備考
グラフィックチップ MGA-G200
コアクロック 89MHz/95MHz 16bitの時、リビジョンによって異なる。
メモリ種類 SGRAM/SDRAM
対応メモリ速度(最大) 89MHz/95MHz 16bitの時、リビジョンによって異なる。
メモリの最大搭載量 16MByte 8MB版と16MB版があり専用増設ボードで16MBまで増設可。
対応スロット AGP2X/PCI
DirectXの世代 Direct3D
OpenGLの世代 OpenGL 一部をソフトウェアで処理
ハードウェア T&L ×
ピクセルシェーダ ×
バーテクスシェーダ ×
ジオメトリエンジン ×
レンダリングエンジン ×
プロセスルール 0.25
Mpeg再生支援 DVD再生支援
その他 -

特徴

Millennium G200はMillennium IIをベースに3D機能を強化した上、価格を下げるためにグラフィックメモリに専用な為に高価だったWRAMをある程度汎用なSGRAM/SDRAMに変更してRAMDACを内臓にしたような構造をしています。この為2Dに関してはコアはMillenniumIIと同等(もといそれ以前のMillenniumとも同等)にも関わらず、コスト削減のためにSGRAM/SDRAMを採用した為に速度が低下した上RAMDACを内臓にしたので画質も低下してしまったようです。ただしどちらも若干な範囲で体感できる差はなく一部のコアなユーザーを除いてそれほど問題にはしなかったようです。

Millenniumシリーズは他社の製品に比べて3D機能をあまり強化していなかったのですが、市場の流れは3D機能の性能にシフトしておりこの製品で当時標準APIになりつつあったDirect3D(DirectXの3D機能)に本格的に対応した製品となりました。実際に発売直後は当時最速と言われたVoodoo2とも引けはとらないと評判だったのですが、nVIDIAのRIVATNTあたりが登場したあたりから3Dに関してはすっかり目立たなくなってしまいました。

メモリにMillennium/Millennium IIの特徴の一つでもあったWRAMではなく一般的な(SGRAMはグラフィック用ではあるが)メモリであるSGRAMやSDRAMを採用しています。通常128bitとかかれますが、厳密には単に128bitの帯域があるのとは異なり読み込み用と書き込み用の二つの独立した64bitバスを設けてあわせて128bitという構造になっています。バスが独立しているので読み込みと書き込みが干渉することない反面、片方だけ見ると64bitとなるので128bitと比べると帯域が狭く総合的にはどちらもあまり変わらなかったようです。

Millennium G200が登場する前(直前ですが)にMGA-G100というチップが搭載されたProductiva G100という廉価版(Mystiqueより下位)のカードが発売されていますが、このチップはMillenniumシリーズには採用されていないのでMillenniumG100という製品は存在しません。

ラインナップ

Millennium G200には複数のラインナップが存在しています。また、リテール品と比べて制限が掛かったバルク品や発熱が少ない0.25μプロセスルール品などがあります。

製品名 Millennium G200 SG/無印 Millennium G200 SD Millennium G200 LE Millennium G200 SE
RAMDAC クロック 250MHz 250MHz 250MHz 250MHz
メモリ SGRAM SDRAM SDRAM SGRAM
メモリ増設スロット あり あり あり なし

※これにバルク品やプロセスルールが異なる製品がある。

※MGA-G200の最大搭載可能容量である16MBを最初から搭載した製品にはLE以外でもメモリ増設スロットはありません。

Millennium G250

Millennium G200は設計段階では0.25μプロセスルールで作ることを想定していましたが、間に合わずに0.35μで製造されて出荷されました。この為かなり発熱が高く大型のヒートシンクが搭載されていましたが、それでも触れなくなるほど熱くなるとか定格で動作させても熱暴走するなど問題が聞かれました。後に0.25μ版が投入されることになり熱問題も解決されヒートシンクもなくなりました。

0.25μプロセスルールのMGA-G200で高クロック版をMillennium G250という製品名でOEMとして出荷していました。ただプチップがMGA-G200のままでパソコンからもMillenniumG200と認識されるので、一般にMillennium G200と区別されていなかったり0.25μ版のMillennium G200の別名として扱われることが多いようです。