『グラフィックメモリ』

はじめに

最近のグラフィックカードではグラフィックメモリの容量や速度によっても多くのバリエーションが販売されていて、選ぶ方は選択肢が多くてうれしい反面ややこしいのも確かです。グラフィックメモリとはいったいどのようなことをしているパーツなのかお話しいたします。

グラフィックメモリと3D描画

グラフィックカードの性能の一つとして、グラフィックメモリの速さと容量があげられます。このメモリは、グラフィックチップの演算に必要なデータを格納しておく場所です。

近年のグラフィックチップはGPUなどと呼ばれ、CPUが処理するべき演算のうち3Dグラフィックを専用プロセッサで処理する仕組みを持っています。GPUがCPUと同じような処理をすると考えるとグラフィックメモリはCPUでいうメインメモリに相当します。演算の内容はグラフィックメモリに展開されますが、入りきらないデータはメインメモリあたりに格納されまし、逆に必要なデータがグラフィックメモリにない場合はメインメモリからロードされます。

GPUはグラフィックデータを主に扱う特性上CPUに比べて扱うデータ量も多いので、グラフィックメモリには大量のアクセスが行われます。グラフィックメモリより格段に低速で、かつインターフェース部がボトルネックとなるメインメモリへのアクセスが頻繁に発生することはできる限り避けたいですし、メインメモリよりもだいぶ高速なグラフィックメモリとはいえGPUに比べては低速には違いなくより高速であることが望まれるのです。

グラフィックメモリと2D描画

では、2D画像にもグラフィックスメモリが多い方が有利になるのでしょうか?

モニタに表示される画像はRGB系とよばれる三原色に表現されています。PC/AT互換機ではR=Redを0から255までの256段階、G=Greenを0から255までの256段階、B=Blueを0から255までの256段階で表現されています。2の8乗で256まで表現できるので各色8bitで表現できることになります。したがって三色で24bitあれば事がたります。

さて、1024×768の 画像を表示するには1dotに24bit必要なので 1024×768×24÷8=2359296で約2.4MB必要ということが分かります。逆にこれ以下だと、1024×768の24bit(32bit)カラーの表示ができないのです。残りのグラフィックメモリは3Dグラフィックの演算用ですから、それ以上搭載しても2D画像を使う分に性能の向上は見込めません。

主なグラフィックメモリの種類