『グラフィックカードとDirectX』

はじめに

今秋MicrosoftからDirectX9がリリースされます。だいたい、DirectXがリリースされるたびにその機能にフル対応したグラフィックチップも同時にリリースされます。これは、ダイレクトエックスがチップメーカーと共同で開発している結果です。DirectX7.0はGeforce256、DirectX8.0はGeforce3で、DirectX8.1はRadeon8500でした。今回のDirectX9.0はParhelia-512です。

Direct Xとは?

Windowsでは本来ハードウェアの違いに関係なくプログラムできるように、アプリケーションにインターフェースを提供しています。しかし、通常のWindowsの描画方法だとそれほど高速な描画ができず。ゲームなど時間が致命的になるアプリケーションは不向きでした。このためWindows95最盛期でも、DOSゲームは軽快だと根強い人気があったのです。

そこで、通常のWindowsの描画とは独立して高速な描画をさせるテクノロジーを搭載させました。そのテクノロジーがDirctXというわけで、DirectXとはDirect3DやDirectSoundなどDirect(X)の総称です。

DirectX8.0の内容

・DirectDraw 主にムービーなど2D描画を担当する。
・Direct3D 主にゲームなどの3D描画を担当する。
・DirectSound 主にゲームなどの音楽や効果音等を担当する。
・DirectInput 主にゲームなどの入力を担当する。
・DirectPlay 主にオンラインゲームなどの通信を担当する。

DirectXとゲーム

DirectXの中でもDirect3DとDirectDrawの機能強化はゲームでは重要で現在でもDirectXはグラフィック機能を中心に進化しています。以前この二つがまだそれほど高性能ではなかった時代には3dfxが自社製グラフィックカード用に開発したGrideというAPIが普及しましたが、DirectX5.0が登場するころにはDirectXもだいぶ機能強化され、Grideなどの専用APIを使わなくてもOS標準のDirectXでも充分にゲームができるようになります。そのころにはDOSゲームも姿を消しWindows+DirectXの組み合わせがPCゲームの定番となるのでした。

現在では各社グラフィックカードの性能はDirectXなしでは生かすことはできません。DirectXはすべて下位互換(古いDirectXは新しいDirectXがエミュレーションしてくれる)ですから古いゲームでも使え、逆に新しいゲームは新しいDirectXの技術を利用してより高度なグラフィックやサウンドを再現できるのです。

近年では、マイクロソフトがX-BOXという民生用ゲーム機を発売しました。このゲーム機の中身はほとんどパソコンそのもので、OSにはWindows2000をベースにしたものが使われていてAPIにはDirectXが使われています。当然、DirectX用に作られたX-BOX用のゲームはパソコンへ移植するのは簡単で今後そのようなゲームが増えるだろうと思われます。