規格統一の野望

はじめに

2006年の初めに、乱立する規格やメディアを統一するという構想を妄想してみました(笑)。現在では一部実現されているようなところもあり、今考えるとムチャクチャなところもあり、書いた本人としては面白いです。

規格統一の野望 (1) 2006年02月08日

今回はハードウェアの話でもしましょうか。

私の使っているパソコンに搭載されている新しいDVDドライブは、
DVD-R/+R/-RW/+RW/RAM/-R DL/+R DL/CD-ROM/CD-R/CD-RW
と対応しています。

もはや十徳ナイフよろしくな多機能ぶりです。CDとDVDは世代的に異なるので致し方ないですが、DVDの規格の多さには目に余るところがあります。

以前ビデオの世界で、βとVHSが熾烈なシェア争いをした結果、βは破れ今や見かけることすらなくなりました。しかし、DVDの方は物理的な大きさが同じ為に、両対応という荒技が可能になり併存という道を辿りそうです。もちろん、メーカーもそれを知っていたから妥協せずにゴリ押したんでしょう。

全部に対応していれば、とりあえず消費者が意識する必要はなくなりますが、別の人とメディアのやりとりをする場合や将来どうなるかを考えると煩わしいのは否めません。そもそも、対応する規格が増えれば少なからずコスト上がり、複雑になれば壊れやすくもなります。

選択肢が増えることはニーズに応じて最適なものを選べるので一般的には良いことですが、保存メディアに関しては消費者としては良いことは少ないでしょう。

しかし、この教訓は生かされずに、次世代DVDでも同じ状況になりそうです。Blu-rayとHD DVDの2つの規格で対立して、おそらく両方の規格で製品が登場してしまうでしょう。こちらも物理的なサイズが同じなんで両方に対応することは可能でしょうけれども、面倒なことには変わりません。

このまま行けば、数年後にはCD-ROM/…/DVD-ROM/…/BL-ROM/…/HD-ROM/…とこれでもかと規格に対応したドライブがちまたで売られるようになるのでしょう。。。

こうなる陰には、成功を収めた規格を作ったメーカーは規格に含まれる技術のライセンス料で、何もしないでもお金が入ってくるウハウハな仕組みがあります(笑)。そりゃ誰だって、寝ていても儲かる方法があるならやりたくなるのも不思議ではありませんね。さらに、規格策定段階で製品開発も行っているでしょうから、他社に比べて技術的にアドバンテージがあり、モノも売れて2倍おいしいわけです。

この新規格の両陣営の攻防については、ハリウッドやら家電メーカーやらも一緒になって私達が知らないところでいろいろやっているようです。

実は、次世代DVDに限らず最近では規格の乱立が多く、消費者ももちろんメーカー自身も苦労させられているようです。

規格統一の野望 (2) 2006年02月09日

DVDの書き込み規格はDVD-R/+R/-RW/+RW/RAMと5種類もあります。まぁ『1回書き込み型』と『書き換え型』で2種類くらいはあってもいいと思いますが、あまり意味もなく種類が増えるのはうれしくありません。

他に規格が多いと思うのはデジタルカメラです。デジタルカメラのメディアはSD CardとMemoryStickや、xD PictureCard、CompactFlashといった具合に4種類もあります。さらに、それぞれの派生品やらより小型版など似て非なる製品が沢山あります。

フィイルカメラの時代では、プロ向けにブローニなんかありますが、基本的には35mm版のフイルムか、後発のAPSくらいなもんだったので、それを考えると面倒になったと言わざるをえません。フイルムは使い捨てですが、デジタルカメラのメモリは使いまわしができるのに、こうメディアの規格が多いとカメラを2台持っていてもメーカーが異なるとそれぞれメディアを買わねばならないこともしばしばです。

ただ、デジタルカメラの場合はメーカーがわざとやっている感じです。というのも、カメラメーカーはカメラのレンズでも同様に規格を独自にして、一度自社の製品をかったらレンズなどの過去の資産から次に買うときも自社の製品を買ってもらうという囲い込み路線を行っていて、実際にある程度成功しているからです。

音楽は録音用はMDで落ち着いている感はありますが、Hi-MDやSD Cardなど登場したは良いけどパッとしない存在や、SA-Audio、DVD-Audioなど本来CDを置き換えると思われていた製品達が、微妙な状態で細々と販売されている状態でこれも統一されている感じがありません。これはたぶん、メーカーもどうして良いかわからなくなって、結果として統一できなかったのでしょう。

まぁ、メーカーごとにいろいろ思惑はあるのでしょうが、一消費者としては規格はそろっていて欲しいと思うわけです。一昔前は、ビデオはビデオテープ、音楽はカセットテープ、カメラはフイルムと各規格1つづつが標準であったことを考えるとメーカー各位にガンバってもらいたいわけです。

規格統一の野望 (3) 2006年02月09日

一昔前は、映像、写真、音楽ともに記録方法がアナログでしたが、最近はデジタルに移行しつつあります。デジタル化の利点として高画質化や高音質化などが騒がれていますが、デジタル化の本質は高画質化や高音質化ではありません。

例えば音楽に関して見てみましょう。

人間の耳はアナログで音を感じます。
そして、通常の楽器からでる音も人間の声もアナログです。

つまり、デジタルで録音するということは、アナログで出てきた音をデジタルに変換して録音して、デジタルで録音された音を再びアナログに変換して再生することになります。もちろん、変換を行えば行わない時よりも劣化します。

映像や写真も同様です。ですから本来デジタルは高画質化や高音質化する技術とは言えないのです。

では、なぜ巷ではそういうことが謳われているかというと、保存やコピー、転送の際に劣化が極めて少ないという利点があるからです。つまり、一度デジタルにしてしまえば、ビデオテープのように置いておくだけで劣化したりもしませんし、ダビングの度に劣化することもありません。テレビ放送に際してはエラー補正を行うことで、今まで電波の受信状態がよくない地域でアナログよりもマシになるという利点があります。

さらに、いずれもアナログ方式に比べて手軽に簡単にできるという特徴もあります。

ところが、そんな利点にも待ったがかかってしまいました。劣化せずにコピーやら録画やらできてしまうとDVDやCDの売り上げやレンタルが上がったりになってしまうというのです。まぁ、著作権と消費者の権利のお話は専門家に譲るとしても、これによってデジタル化する最大の利点が半分くらい失われたに等しいことになります。

劣化せずに保存やコピー、転送ができるメリットですが、まずコピーはエライ制限がかかってアナログよりも不便です。転送に至っては、コピーを心配してアナログ信号まで暗号化をかけるとかで、既存のテレビが使えないかもしれないというありさま。いくら高画質でも、そんなに制限がかかるようではアナログのままでもいいんですけど。。。と言いたくなります。個人的には品質が劣化するのは全然かまわないから、デジタルの手軽にできる機能は使いたいというのが本音です。

そんなこんなでデジタル化する大きな利点が一つ消えたわけですが、実はその陰にあるもう一つのメリットが今回のお話の柱でもあるのです。デジタル化する前は、映像、写真、音楽でそれぞれ1規格づつだったのに、デジタル化したら乱立してしまったというのは先ほど書いた通りですが、実はデジタル化のメリットの1つとしてメディアが統一できるという点があるのです。

先ほどの例でも、SD Cardはデジタルカメラのメディアとして登場してますが、音楽メディアとしても触れられています。その他携帯電話のメディアとしても使われているのです。つまり、アナログでは記録するものに対応してメディアを変えざるを得なかったのに対してデジタル化すれば容量や大きさの差こそあるものの、各分野のメディアを統合することが可能なのです。

そんなデジタル化によるもう一つのメリットがあるのにもかかわらず、逆に規格が乱立してしまったのはあまりにも悲しすぎます。

規格統一の野望 (4) 2006年02月10日

今回は願望を含めてメディア規格の統一を妄想してみます(笑)。

とりあえず、配布や販売用のROMとデータバックアップ用のRAM、さらに小型メディアのRAMと最低でも3種類は欲しいところです。

まず、ROMから考えてみましょう。とりあえず、私はBlu-ray派なんで次世代はBlu-rayが本命ってことにさせていただきます。あ、これは個人的な意見なんでHD-DVDでも統一されればかまわないですけど。

なんでBlu-rayかってことですが、HD-DVDは既存のDVDに近いので製造コストが低いことが最大の利点です。逆にBlu-rayは従来のDVDよりも技術的に難しい方法を採用していますが、その代わり大容量化に適しています。HD-DVDもさらなる大容量化のメドが立っているようですが、 Blu-rayに比べて基礎技術が古いので最終的にBlu-rayよりも容量が少なくなることは避けられません。っというより、作りやすくて容量も大きくできるのなら議論にもならずにHD-DVDに決まります(笑)。

従って、HD-DVDの方が先に容量限界に達して次世代メディアに移行しなければならなくなります。メディアの移行というのは大きな労力とお金がかかることなので、できれば長く使える方がいいと思うわけです。当然、いずれBlu-rayも容量限界に達するでしょうけれども、タイムラグがある分より高度な技術が確立していて、次世代メディアはより良いモノになっている可能性があるワケです。

話がそれましたが、Blu-rayで映画が移行するのはすでに分かっていることで書くまでもありませんが、ここで私はオーディオも全面移行するベキだと提唱します(とりあえずこれをBlu-rayAudioとでも命名します)。ところが、オーディオはDVD-Audioというものが存在していて、CDよりも高音質だったり、マルチチャンネルに対応していたりとアドバンテージを持っていたのにもかかわらず普及がサッパリでして、Blu-rayを投入しても売れないのは火を見るよりも明らかです。

では、なんでBlu-ray Audioに移行すべきだなんて言うのか、というのを次回あたりに書くことにしましょう。

規格統一の野望 (5) 2006年02月10日

DVD-Audioで思いっきり失敗しているのに、なんで今更Blu-ray Audioか?というお話です。

Blu-ray Audioへの移行は、たとえメーカーは自分の懐を削ってでもBlu-rayに全面移行すべきだと思います。と、いうのも現在主力のCDですが、これには著作権保護の仕組みが入っていません。それに無理矢理に規格外の著作権保護の仕組みをねじ込んでしまい、回収騒ぎや訴訟にまで至っている始末です。

私としても、「CDプレーヤーで再生できないかもしれないCD」をお金を出して買うのは釈然としませんし、「再生したら壊れるかも知れない」と書かれているCDをプレーヤーで再生するのは最悪な気分です。そもそもこれってPL法に引っかかるかかるような気がしますし。例によって法律関係の議論は専門家に譲るとしても、このコピープロテクトCDってのは規格外に作ってあるために、オーディオプレーヤーに半端でない負荷をかける可能性が高い代物ですから、「著作権を保護する為」という理由だけでは頂けないものがあります。

一般的なコピープロテクトCDの仕組みは、意図的に規格外の情報を埋め込んで、厳密さを求めるパソコンのCDプレーヤーでは読み込めないが、ある程度いい加減な音楽CDプレーヤーなら読めてしまう特性を利用したものです。まぁかなりアバウトな説明ですがそんな感じです。

パソコンのCDプレーヤーはCD-ROMも読み込みますから、間違えて読み込んだら大変です。音楽や写真ならいざ知らず、知らぬ間に契約書の文字が書き換わってたりしたらトンデモないことになりますから、エラーがあったら素直に「読み込めません」と言ってきます。

逆に音楽のCDプレーヤーは、厳密に読み込んでキズがあるごとにレコードのノイズのごとくプチプチ音がなっては、聞く方としては不快ですからエラーらしきものがあったら前後のデータから適当に補正をかけて流してしまいます。この辺の違いを利用したモノですが、当然音楽用CDプレーヤーでもエラーは少ないように読み込みます。規格外の信号が入っていたら、何度も読み込んだり補正をかけようとするわけで負担になるのです。人間でも、ピントのぼけた映像を見てると、目を細めたりのぞき込んだりとしてすごく疲れるのと同じです。

話がそれましたが、そんなわけで著作権保護を消費者に納得の行く形で行うためにはCDから次世代メディアに移行する必要があるというわけです。少なくとも消費者は音楽を欲しているわけですから、その音楽そのものが劣化するような方法は商品として最も不適切と言えると思います。

DVDには著作権保護の仕組みが開発時より導入されていますが、すでに破られてしまっているのでDVD-Audioは移行する意味がありません。

さらに、DVD-Audioの規格策定の時とは情勢が変わってきています。DVD-Audioの策定時には高音質化とマルチチャンネルへの対応がCDからの利点として挙げられています。ところが、昨今のポータブルプレーヤーの普及やネット配信などを見ればわかるように、多くの消費者はCD以上の音質の向上にそれほど関心はないと言えます。ですから、容量が増えた分は別のアドバンテージに使えるように時代のニーズにあった規格策定をする必要があると思われます。

例えば、私の考えるところでは、再生用の高音質なデータとは別にポータブルプレーヤー用にプロがエンコードしたデータを加えるとかです。今は個人単位でリッピングして音質をあれこれ工夫してポータブルプレーヤーに転送していますが、これをプロがもっとも良い状態と言えるものを付けてくれればこの手間も省けて高音質な音楽を家でも外でも存分に楽しめるというワケです。まぁ他にもいろいろあるでしょう。

そんなわけで、どうせ普及していないならいっそDVD-Audioは捨てて、Blu-rayに移行するのをオススメするわけです。しかし、アドバンテージはそう多くはありません。ですから、メーカー、特に著作権保護を訴えているレコード団体さんがかなり積極的に普及を推進する必要があるでしょう。

例えば、販売されている全CDに同じ内容のBlu-rayを付けて価格を据え置くとかです。もちろん、使わない方を転売する恐れもありますが、ここは将来の著作権保護の為に我慢です。さらに、音響機器メーカーにも積極的に働きかけ、CDプレーヤーと同程度の価格でBlu-rayプレーヤーを搭載させることです。もちろん出資とかもするベキでしょう。

ここまですれば、Blu-ray Audioは普及できると思います。ある程度になったら、段階的にBlu-rayだけのコンテンツを提供するようにしていけば移行ができるというわけです。もちろん金銭的にもかなりの負担になるでしょうが、その程度の努力もしないで著作権保護のために妙なCDを売りつけるようでは消費者との信頼関係は構築できないのではないでしょうか。

さて、ROMの話からだいぶ話がそれてしまいましたが、次回は再びメディアの統合のお話に戻りたいと思います。

規格統一の野望 (6) 2006年02月10日

もう一つROMとして忘れてはならないのがCD-ROMですね。未だにソフトウェアはCD-ROMが使われる事が多いですが、CD/DVDは今後もサポートされることでしょうから急いで移行する必要はないと思います。

ゲーム機ではソニーはプレステでBlu-rayを使うらしいですからいいのですが、問題はMicrosoftはHD-DVDを推進している点です。ゲームソフト自体はメディアを統一する必要はないと思いますが、再生機器としても使えるので統一するに超したことはありません。DVDが普及した陰にPS2での採用がかなりあると言われている以上、Blu-rayの再生には対応してもらえるとウレシイです。

さて、これで映像、音楽のROMが一つのメディアに統一できるわけです。統一されれば、ドライブの販売台数も増えて価格も下がるのでいずれCDやDVDのように身近な存在になるのではないかと思います。

Blu-rayのシングル盤のようなものも考えられますが、CDの時にはスロットイン式や縦置きタイプのプレーヤーで使えないなど不便な面もあったので、無駄に規格が増えるのを避ける観点からも不要ではないかと考えます。というワケで、まぁ本来ROM自体は乱立することもなかったの、ここでぐだぐだ書くこともなかったかも知れませんが、今回の特徴はBlu-rayAudioの提唱ってところでしょうかね。(特許とるか!(笑))

さてさて、次回は記録可能メディア(R/RW/RAM)について考えてみましょうか。

規格統一の野望 (7) 2006年02月11日

さて、ここで記録可能メディア(R/RW/RAM)は用途に応じて多数ありますが、このお話は規格を統一しようではないか!ちゅうことを目標にしているのでここでは、大容量でデカイのと、コンパクトで持ち運べるのに分けて考えます。

まず、大容量でデカイ方は12cmのメディアになると思われますが、とりあえず私がBlu-ray派ってことは前回書きました。RAMも統一するならBlu-rayREってことになりますね。

私は記録可能メディア(R/RW/RAM)で最も重要なのは容量もさることながら価格と信頼性だと考えています。価格は普及に絶対に必要な事ですし、信頼性は容量が大きくなるにつれて重要になります。というのも、仮にディスクが一枚ダメになったとします。フロッピーなら容量的にWordの資料が2、3個消滅するくらいで、泣くだけですむかもしれません。Blu-ray REが50GBとすると高画質な映像データくらいならばいいですが、デジカメの写真でも入れてたら、一生分の写真が全部消えるくらいの損失がでます。。。もはや涙も出ないでしょうね。

実は、Blu-rayの弱点として保護層の薄さというのがあり、キズに弱いという欠点があります。カートリッジを付けたり、DURABISというコーティング技術で補っていますが、基本的な構造がHD-DVDよりも信頼性が低いのは否めないのが気になりますが、その辺は技術の向上に期待するところです。DVD-RAMと同等程度以上の信頼性があるといいですね。

次に、ポータブル用の小型メディアです。まず、屋外で使う場合も想定するとディスク式は除外ですね。フラッシュメモリでメジャーなところは、SD、メモリスティック、コンパクトフラッシュ、あとxD PictureCardやSmartMediaはマイノリティーなのでここでは議論の対象にしません。個人的には富士フイルムの写真機使っていて性能は気に入ってますが、xD PictureCardは頂けませんね。。。メモリスティックは互換性の問題やらで、なんかトラぶってるらしいですし、S○nyが一人で引っ張ってる感じで統一規格には向いてないと考えます。

さて、コンパクトフラッシュとSD Cardですが、コンパクトフラッシュの最大の利点は容量の大きさと転送速度だと思います。ですから基本的には大型の一眼レフなんかに使われていることが多いようです。

容量も速度も年々飛躍的に向上していますし、小型のものにも使うことを考えて統一規格ではSDの方を採用したい雰囲気です。それも、Mini SDが容量を除くと、最も統一規格に向いているのではないかと考えられます。一応将来の話をしているということで、MiniSDで2GB程度が一般的価格帯に降りてきているということにして、こいつを統一規格として議論しようと思います。

さて、話が長くなってきたので、次はこの2つの統一規格を使っていろいろな用途に転用していこうと思います。

規格統一の野望 (8) 2006年02月11日

映像メディアは、統一ということでBlu-ray REとなるところですが、記録用のDVDはDVD-ROMに比べて普及してはいません。おそらく、デッキやメディアの価格が高いことや、操作が煩雑なことが原因だと思われます。

ROMがBlu-rayに移行するので記録メディアがDVDにとどまるのはナンセンスなんで、ここは一つDVD-RW/RAMは飛ばしてBlu-rayREに移行すべきでしょう。実は数年後に地上波がデジタルに切り替わったりする関係上、映像家電の買い換え又は書い足しは必至になりそうです。この機でアナログのビデオからの全面移行ができなかったら、DVD-RAMもBlu-rayもオシマイです。。。もう人類は滅びるまで映像家電はアナログのままです(笑)。

まぁ大げさでしたがこの切り替わりの際に、いかに価格的にも使い勝手的にもビデオから乗り換える気にさせる必要があります。多機能だから高くても難しくても買ってくれるのは一部の人間だけです。

さて、映像家電で忘れてはならないのはBlu-ray Rですね。一回だけ記録型で、デッキ本体にHDDがあるものなどは編集して保存したいモノだけをBlu-rayRに記録するという用途が考えられます。規格統一の観点からすると、Blu-ray REだけではだめか?ということです。

DVD-RW/RAMとDVD-Rを比較すると、DVD-Rは単価が安いのとDVD-ROMと同等に扱える点です。しかし、Blu-rayに関してはまだほとんどコンシューマ向けに製品が出回っていないわけで、今後販売される全プレーヤーにBlu-ray REの読み込み機能を搭載すれば、後者のことは考えなくてもよくなります。

Blu-ray-REへの読み込みだけの対応だったら、技術的にもコスト的にもそれほどな負担にはならないと思われます。もちろん、熾烈なコスト争いを行っているメーカー間でそんな悠長なことを言っていられるかは分かりませんが。。。残る問題はメディアの単価ですが、環境問題とか配慮すると使い捨てなメディアはねぇ?ということでちょっと高くても使い回せるBlu-rayREのみに統一します。

ということで、このお話の中ではBlu-rayはROMとREの2つの規格だけに絞られたわけです。う~んシンプル!

さて、映像も終わったところで、次回は音楽系に行ってみようと思います。

規格統一の野望 (9) 2006年02月11日

規格の統一オーディオ編です。まず、現時点ではMDが主力な保存メディアとなっており、ポータブル分野ではフラッシュプレーヤーが主力になりつつあるというところでしょうか。

Hi-MDというのが販売されましたが、どうもパットしません。基本的にHi-MDは長時間録音モードと高音質録音モードを備えていて、MDと同じ大きさですが従来のMDデッキでは再生できないというのが大まかなスペックです。

さて、ポータブルのプレーヤーと保存用メディアは分けて考えるべきです。MDはCDをポータブルにする際に、カセットよりも大きかったのが欠点になったことを教訓に、音質を落としても小型化することを選びました。昔は充分な小ささと容量でしたが、今ではフラッシュプレーヤーに比べればかなり大きいですし、容量は小さく音質もCDに比べて悪いという中途半端な状態となってしまっています。

Hi-MDはこの容量と音質面を大きさを変えずに解決しようとしましたが、普及具合はパットしないようです。まぁ登場から間がないので今後情勢はかわるかもしれません。

保存用メディアとポータブルプレーヤーを分けて考えるならば、保存用はMDのように小さくする必要はありませんから容量を大きくすることができます。逆に、ポータブルプレーヤーは容量が多いに超したことはありませんが大きさとバッテリの持ちが命になりますから、フラッシュメディアがベストになります。

保存用メディアとしては、ROMの話でBlu-ray Audio(仮)を提唱したので、ここではやはりBlu-ray REを使うのがベストでしょう。基本的には自宅に置いておくものですが、カートリッジ式のBlu-rayREはちと大きすぎる気もしますが、規格の統一の為にもここはBlu-rayに統一です。

実はこれにはもう一つ素晴らしい利点があるのです。CDの登場してから今まで、録音用デッキとプレーヤーが独立している必要がありましたが、Blu-rayに統一することで機器が一つに統一できます。コスト面でも大きさの面でも大きなアドバンテージになるハズです。

初期の製品に絶対に付けて欲しい機能として、MDからの転送機能です。著作権の問題でコピーができないならば転送でもいいので、過去の資産を簡単に移せることがスムーズな移行の第一条件です。また録音という概念以外にもコピーという概念を取り入れて、MDのようにCDからのダビングの際に再生時間分かかるというのを改められると便利ですね。

基本的に大きさ以外にデメリットもないので、音質の面でMDを嫌っていた音響愛好家から一般の音楽好きまで幅広く支持されると思われます。これでカセットやMD、DATなどの旧規格を一掃できるのではないかと思われます。

著作権保護の整備ができれば、パソコンでも編集できるようになると便利です。コピーなどはする必要がありませんが、メディア間の移動やフォルダ階層の整理、情報の追加などの編集作業はパソコンの方がずっと楽ですからゼヒなんとかしてもらいたいところです。

規格統一の野望 (10) 2006年02月11日

今回はポータブルフラッシュプレーヤーのメディア規格を考えてみます。最近ではiPodのごとくHDDや内蔵フラッシュメモリを使ったものが主流です。まずHDDですが、このメディア自体が持ち運びにはあまり向いていないので、将来的にはフラッシュメモリに取って代わられると思います。

問題はフラッシュメモリを内蔵にするか、はたまたメディア式にするか?という問題ですが、大きさの面では内蔵にした方が有利です。ただ、メディア式にすれば、ニーズに合わせて容量を変えられる利点があります。内蔵式は今でも複数の容量のラインナップを展開していますが、ラインナップの増加はコスト的に不利になりますし、一度買った後に増やすことができません。

最終的にはメディアの容量の問題となると思いますが、内蔵式は規格もひったくれもないのでそれはそれで良しとして、メディア式は規格を統一してすべきでしょう。この規格統一のお話ではフラッシュメモリはMini SDに統一するということなのでMini SD Cardに統一しましょう。この際にメディアのフォーマットやディレクトリレベルの規定もきちんと規定して、どのプレーヤーでもメディア式ならば再生できるようにすべきです。

昨今では携帯電話にも音楽再生機能がついていますが、あれも規格として統合して携帯電話とポータブルプレーヤーの垣根を越えてメディアが扱えるようにするべきだと思います。

現在でもSD Cardなどを使ったプレーヤーは存在しますが、どちらかというとMDをSD Cardに置き換えたというニュアンスが感じられます。しかし、メディアを交換するという概念は記録できる容量が小さい時に生まれたもので、これからは上記のように内蔵メモリの容量を選択できるという考え方の方がよいのではないでしょうか。

さて、内蔵かメディアかはどちらでもいいにしろ、転送規格は統一すべきです。現在はパソコンを使うのが一般的で、オーディオ機器ではあまりサポートしていないのが現状です。しかし、そのパソコンでは各社が独自のソフトで操作方法もルールもまちまちという状態です。

ソフトの操作性なども差別化の大きな要因ですが、データの管理方法くらいは統一してくれないと、プレーヤーを買い換えるとデータベースから作り替えるハメになってしまいます。Blu-rayRE の編集はパソコンで簡単にできるように整備したとして、データベースはすでに行われているモノとして、あとは適当な曲を選んでチェックして、あとは纏めて転送ってのがスジです。

この程度のことならば、オーディオ機器でもできるハズですので、先ほど折角Blu-rayデッキに統一されましたが、ポータブルを活用するならばMiniSDデッキも追加するというスタイルに落ち着きそうです。また、内蔵型ならば現在はパソコン用としてUSBを装備していますが、これを使って転送するというのが現実的だと思います。たしかすでに製品があったと思いますが、重要なのはどのメーカー間であってもちゃんとできる規格の策定だと思います。

さて、音楽メディアでだいぶ熱く語ってしまいましたが、次回はデジタルカメラあたりを考えてみることにしようと思います。

規格統一の野望 (11) 2006年04月05日

今回は最終回のデジカメですが、これは比較的に簡単でメーカーさえ妙なプライドを捨てて統一してくれれば済む話だと思います。フラッシュメモリはMiniSDに統一という話ですので、当然デジカメも同様になります。

ところで、デジカメと音楽プレーヤーはメディアとしては非常に近い関係にあり、事実デジカメに音楽再生機能がついた製品もありました。ならば今までに内蔵メモリの製品が登場しないのが不思議です。もちろん旅先で容量不足になった場合などに交換できるのは便利ですが、交換できるのが便利なのは音楽プレーヤーも同様でしょう。ですから、内蔵メモリ式というのがあっても良いのでは?とも思ったりします。

おそらく多くのユーザーはメモリを追加したりすることはせいぜい一回程度で、ほとんどの人がデジカメと同時に購入したメモリで最後まで使うことが多いのではないかと思うのです。ただここでは、音楽プレーヤーと同様に内蔵メモリの容量を選択できるという考えでカートリッジ式のMiniSDドライブの方を推奨することにします。

フォーマット規格自体は比較的に統一されているらしく、プリンターやドライブなどからパソコンを介さずに印刷したりできるものも既にあるようですし、携帯のデジカメもデジカメのフォーマットと同様になっているので問題ないでしょう。あとはメディア規格を揃えるだけなのです。

さて、ここまではコンパクトデジカメの話で、一眼レフクラスになると容量的な問題もMini SDではキビシいですし、書き込み速度とかも気になります。ですから、一眼レフ用は昔でいうブローニとかのプロ用としてコンパクトフラッシュ又はマイクロドライブへの対応もあっても良いかなぁと思います。

これで、ビデオ、音楽、デジカメ、ケータイが、Blu-ray ROM/R/RE Mini SDに統一され、ポータブル音楽プレーヤーとデジカメは携帯とメディアを同じくするだけでなく、フォーマット的にも互換性があり相互に利用できることになります。

ビデオと音楽も同様で、デッキも共通化が容易にできるようになります。メディアが共通化されれば、メディア単価も下がるでしょうし、ドライブも若干ながらさがるでしょう。そして、ユーザーが機器ごとにメディアをとっかえひっかえする時代は、そろそろ終わりにしても良い時期ではないかと思うのです。