ALi AladdinV

はじめに

Aladdin V はAladdin IV(正確にはAladdin IVの強化版のAladdin IV+)の後継として1998年に登場したPentium/AMD-K6系向けチップセットです。

このチップセットは、Super7にいち早く対応したチップセットで、そのせいもあってSuper7世代ではもっとも人気のあったチップセットでした。Super7に対応した点を除いては当時のトエンドを網羅した標準的な作りでした。

主な仕様

Aladdin V

スペック

チップ名 Aladdin V
ノーズブリッジ M1541
サウスブリッジ M1543
対応CPU Pentium/MMX Pentium/K6/K6-2/K6-III/Cyrix他
FSB 100MHz
デュアル動作 ×
対応メモリ種類 PC100 SDRAM
対応メモリ速度 800MB/s
メモリの最大搭載量 768MB
最大メモリスロット数 3slotで6bankまで
ノースブリッジとサウスブリッジの接続に使用しているバス PCI
AGP 2X
内臓グラフィック -
PCI 32bit/33MHz×5
IDE UltraATA 33
USB 2port
付加機能 最大1MBの二次キャッシュを搭載可能

特徴

このチップセットの最大の特徴はSuper 7に対応した点です。IntelがPentium用プラットホームであるSocket 7からSlot1に移行した際に、互換CPUメーカーのAMDや同じく互換チップセットメーカーのVIAなどはSocket7プラットホームの延命を図り、Slot1で初めてサポートされて本来Socket 7ではサポートされなかったハズのFSB 100MHzやPC100SDRAM をサポートするSocket 7の規格を策定しました。これはSocket 7 の互換規格ですが純粋なSocket 7と区別するためにSuper7と呼んだりします。

Aladdin Vではこの他に、やはりSlot1でしかサポートしていなかったAGPもサポートしています。

この他の点に関しては、Socket 7で最後の純正チップセットとなったi430TXとほぼ同じスペックとなっていて、メモリの搭載量以外にはそれほど目立った違いはありません。

互換チップセットというものは、やはりチップセットとして安定性や互換性に関して純正に比べて問題が多いようで、このAladdin Vもその例に漏れず、発売当時はかなり多くのバグが発見されたようです。ただ、その後リビジョンアップやソフトウェアの改良によって問題は解決されていくことになります。

このチップセットで大きな成功を収めたALiですが結局Super 7の時代はそれほど長くなく、さらにPentium II/III/Celeron市場への参入の遅れなどからデスクトップ市場でのシェアは徐々に奪われていくことになります。ALiはかわりにモバイル市場に力を入れ、Intelのモバイル市場向けのチップセットへの注目度の低さも手伝ってシェアを拡大していくことになるのです。