Intel 4 Series Chipset

はじめに

Intel 4 Series チップセットは2008年に発売されたCore 2 Duo/Pentium DC/Celeron用のチップセットです。開発コードネームはEagleLakeで、Core2Duo世代のCPU向けの最後のチップセットとなっています。

主な仕様

Intel 4 Series

スペック

チップ名 Intel X48 Intel P45 Intel G45 Intel P43 Intel G43 Intel G41 Intel Q45 Intel Q43
ノースブリッジ X48 P45 G45 P43 G43 G41 Q45 Q43
サウスブリッジ(ICH) ICH9x ICH10x
Graphic × × GMA X4500HD × GMA X4500 GMA 4500
CPU Core 2 Duo
FSB 1600MHz 1333MHz
DDR3 1600MHz 1333MHz 1066MHz
DDR2 800MHz
メモリ 4Slot (MAX DDR2:16GB/DDR3:8GB) 2 (8/4) 4 (16/8)
PCI-E x16 Gen 2.0 Gen 1.1 Gen 2.0
SLI/CF ×
企業向機能 ×

※ICH10xは企業向けのQ45はICH10DOでQ43はICH10D、それ以外はICH10/ICH10Rのどちらかが選択される。

特徴

Intel 4 Series は次のNehalem(開発コードネーム)のCPUでチップセットに関する仕様が大きく変わるために、Core 2 Duoに対応する最後の新型チップセットとなりました。それもあって、前世代のIntel 3 Series と大きな変化はなく各部をシェイプアップしているのが特徴です。後述の理由で以下はIntel X48を除いたものです。

また、スペックとしては現れていませんが、チップセット自体のプロセスルールが65nmにシュリンクされたため、消費電力が下がっているのもポイントです。このため、後述のグラフィックコアの強化やPCI-Express Gen2 への対応が実現されていると言えます。

グラフィックコアの強化

Intel 4 Series のグラフィックコアは、DirectX 10、Shader Model 4.0、OpenGL 2.0などスペックだけを比べるとG35と違いはありませんが、消費電力が押さえられつつパフォーマンスが向上しています。また、X4500HDにはBlu-ray等のHDムービーの再生支援機能が搭載されています。

ミドルエンドモデルのPCI-Express Gen2 対応

Intel 3 Series では最上位のIntel X38 チップセットのみが PCI-Express Gen2 に対応していました。Intel4 Series では、Intel G41 を除くチップセットで PCI-Express Gen2 に対応しています。

DDR2メモリで4GBのモジュールに対応

DDR2メモリで4GBのモジュールに対応し、4スロット対応している上位モデルで最大16GBに対応しています。もっとも、発売された当初は4GBのモジュールはあまり流通していなかった上に高価だったので、あまり利用されてはいなかったようです。

ICH10x

ICH9xとICH10xは、SATAやUSB、PCI-Expressなどのスペックや数などが同じで、一般ユーザーに影響する違いはほとんどありません。(主に企業向けのICH10D/ICH10DOに強化点がある)

Intel X48について

Intel 4 Series の中で Intel X48 チップセットは基本的には Intel X38 と同じもので、FSBとDDR3メモリの1600MHzを公式にサポートしている以外は変わりはありません。その為、このチップセットのみサウスブリッジがICH9になっているなど他のチップセットとは異なる部分が少なくありません。

最上位のチップセットが旧世代というのは違和感があるかもしれませんが、以前にも同じように Intel 955Xをマイナーアップデートして Intel975Xとしてリリースしたことがあります。もともと最上位のチップセットは新機能を先取りして搭載している部分もあり、またグラフィックコアなどは影響を受けないのでこのような事が発生するようです。

なお、今回の Intel 4 Series 主な機能強化は、1.グラフィックコアの強化、2.PCI-Express の Gen2 対応 3.DDR2の最大搭載容量ですが、1.と3.はハイエンド向けには必要ない機能ですし、2.はIntelX48 ですでにサポートしている機能ですからこのようなことになったのです。

市場の動向

Intel 4 Series は、Intel 3 Series と比較して大きな機能強化はありませんでしたが、逆に問題もなかったことから買い換え需要こそなかったものの、すんなりと市場に受け入れられました。また、Intel3 Series も Intel 4 Series も、同じようにDDR3に対応していましたが、Nehalem がDDR3に対応することからIntel4 Seriesを搭載したマザーボードでは、とくに後から発売されたモデルを中心にDDR3対応版も多く登場したのが特徴です。

Core 2 Duo 世代は廉価版の Pentium や Celeron を含めてNehalem世代のCPUが発売されてからも販売が続けられたため、Intel 4 Series はたいへん息の長い製品となりました。