ソフトウェアエンコード

はじめに

高級なキャプチャーカードといえばハードウェアエンコーディング方式が定番となっていますが、原理的に考えるとエンコーディング方式がハードウェアかソフトウェアかだけでは差はありません。とすると一般的に低価格なソフトウェアエンコーダのキャプチャーカードはお得なのではないでしょうか?

利点と欠点

ハードウェアエンコーダの利点は一般的なスペックのパソコンで高画質で確実なエンコードをすることですから、現在のようにどのパソコンにも高性能なCPUが搭載されているような時代ではソフトウェアエンコーダでも充分な画質をえることができると思われます。

ソフトウェアキャプチャーカードの最大の利点はその価格でしょう。ちょっとビデオキャプチャーとやらをやって見ようかなとか、とりあえずテレビが見たいという方には3000円程度からあるソフトウェアエンコーダのキャプチャーカードは有力な選択肢となりうると思います。

また、ATIのAll in Wonderシリーズに代表されるビデオカードに付加機能として追加されたものもありPCIスロットの空きがすくない場合にも利用できます。ちなみに、ビデオカードにキャプチャー機能が内臓されているカードの場合スロットにAGPを使うものがあります。ソフトウェアエンコーディングの場合は大量のデータをメモリやCPUとキャプチャーカードの間でやり取りするのでノースブリッジから独立して設けられたAGPバスに接続されたキャプチャーカードはPCIバスを占有しないのでその点でも優れているのです。ただし、専用のカードに比べるとノイズ処理などが甘いこともしばしばで所詮オマケという面はぬぐえないのも事実ですが。

ソフトウェアエンコーディングはCODEC=COmpression/DECompressionと呼ばれる圧縮と解凍のアルゴリズムを記したプログラムによってエンコードが行われます。よってエンコードの画質などCODECによって決まるといっても過言ではありません。通常はCODECが自由に選べるので購入後に開発された異なるフォーマット形式にも対応することができます。その点ではハードウェア将来性が高くソフトウェアエンコーディングの利点です。

ハードウェアエンコーディングは専用の処理チップで処理をするのでそのチップで処理できる設定しか設定できません。チップによりますが、ハードウェアで処理する以上あまり豊富ではないことが多く、設定の細かさをとってもソフトウェアに軍配があがります。

また、画質の面でもCODECを上手に選べばヘタなハードウェアエンコーディングカードよりもずっと高画質な設定でエンコードが可能で、尚且つ非リアルタイムでエンコーディングも可能なので未圧縮で取り込んで時間をかけて後からゆっくりと高画質にエンコードすることも可能です。

ただし、一般にキャプチャーカードとしてはハードウェアに比べて安価な製品向けとして販売されていることもしばしばで、物理的な回路設計や部品がお粗末な製品も少なくありません。そのような製品の場合はノイズや安定性などエンコード処理以前の問題があるので画質の面で求めるならその辺もよく吟味する必要があります。最近ではハードウェアエンコーディングに負けない高画質設計を売りにしているソフトウェアエンコーディングカードも登場しているのでそれらを使えばハードウェアに負けずとも劣らない高画質なキャプチャーが可能になります。

キャプチャーデバイスはほとんどの製品がDirectXの中のDirectshowと呼ばれる共通APIに対応します。対応した製品はDirectshowに対応したソフトで扱うことができるので付属のソフト以外でも利用できます。ハードウェアエンコーディングの場合はエンコーディング処理をハードウェア的に行う関係で操作が煩雑なので付属のソフト以外ですべての機能を操作するのはなかない難しいようです。

しかし、ソフトウェエンコーディングの場合はハードウェア的に行うのはキャプチャーするだけですからほとんどの製品も機能や仕様(性能ではない)も似たり寄ったりなので付属のソフト以外でも充分に扱うことできます。その点でも付属ソフトによらない将来性や汎用性が高いのも特徴です。もちろん、ソフトとデバイスによっては相性などが発生する可能性ありますが、少なくとも相性に関してはハードウェアの方が多いと思われます。

ポイント

機能 抑えておきたい点
画素数 ・720×480(DVDと同じ)までの画素に対応していること。
ソフトウェアエンコーディングなら一般的に対応していることが多い。
ビットレート ・ソフトやコーディックによってかえられるのでそれほど気にする必要はない。
非圧縮のキャプチャーができる製品の方がいいと思われる。
エンコード方式 ・一般意コーディックによって自由に決められるので気にする必要はない。
ソフトウェア ・一般的に市販の録画ソフトが使えるので気にする必要はないハズ。
むしろ、市販のソフトが使えることがポイントになる。